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お盆やお彼岸だけじゃない!
仏教行事の種類と見どころ

2019年04月04日

■撮影用にレンタルしたスペースにて撮影を行っています。

 

日本各地では1年を通してさまざまな仏教行事が執り行われています。

例年、「お盆」や「お彼岸」に参加している方もいらっしゃるかもしれません。

このほかにも、一般の参拝者が参加できる仏教イベントが多くあるため、

ぜひお近くのお寺で行われている行事を確認して参加してみましょう!

こちらでは、日本の仏教の代表的な仏教行事をご紹介します。

 

【4月8日】

仏生会(ぶっしょうえ)/花まつり

 

仏教行事の「仏生会(ぶっしょうえ)」とは、

仏教の開祖であるお釈迦様の生誕祭です。

例年4月8日に行われ、

全国各地の寺院では参拝者を招いてイベントが開催されることもあります。

民間では「花まつり」と呼ばれて親しまれています。

仏生会では、

寺院に「花御堂(はなみどう)」と呼ばれる花で飾られた小さなお堂が設けられ、

小さなお釈迦様の仏像が安置されます。

仏像は右手で天を左手で地を指しているのが特徴です。

お釈迦様が摩耶夫人の右脇から誕生し、

7歩歩いて

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」

と唱えた瞬間を表しています。

仏生会の参拝者は、

小さなお釈迦様の仏像に甘茶をそそぎ、振る舞われる甘茶をいただきます。

この儀式は、お釈迦様が誕生したときに、

天から9頭の龍が甘茶をそそいだという伝説が起源となっているようです。

 

【7・8月中旬】

盂蘭盆会(うらぼんえ)/お盆

 

仏教行事の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は、

一般的には「お盆」という名前で親しまれています。

7月または8月の13~15日頃に行われ、ご先祖様をお祀りする仏教行事です。

檀家は菩提寺へお墓参りをして、ご先祖様の霊を自宅へお迎えして供養を行い、

ふたたびお墓参りをしてご先祖様の霊をお送りします。

盂蘭盆会は、お釈迦様の十大弟子にも数えられている、

木蓮様のエピソードが起源となっているようです。

あるとき木蓮様が、餓鬼道に落ちて苦しんでいる自分の母親の姿を見つけました。

木蓮様がお釈迦様から指南を受け、

7月15日に供養を行ったところ、母親は苦しみから解放されたといいます。

 

【春分・秋分前後】

彼岸会(ひがんえ)/お彼岸

 

仏教行事の「彼岸会(ひがんえ)」は、

一般的には「お彼岸」という名前で親しまれています。

1年のうち春と秋に一度ずつ行われ、

それぞれその年の「春分の日」と「秋分の日」の前後3日間にわたり続きます。

彼岸会は日本のみで行われている仏教行事です。

檀家は菩提寺へのお墓参りを行い、

彼岸への思いを馳せて、ご先祖様を供養します。

改めて自分自身の人生を振り返り、ご先祖様に感謝をする機会でもあります。

「彼岸(ひがん)」というのは、

現実の世界を意味する「此岸(しがん)」の向こう側にあるとされている場所です。

仏教においては“浄土”や“理想の世界”を意味します。

全国各地の寺院では、彼岸会に特別な法要が行われています。

 

【12月8日】

成道会(じょうどうえ)

 

仏教行事の「成道会(じょうどうえ)」では、

仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開いたことをお祝いします。

成道会は例年12月8日に開催され、

寺院ではお釈迦様への感謝を込めて特別な法要が行われるほか、

参拝者を招いてイベントが行われます。

お釈迦様が悟りを開いたのは、35歳のときでした。

王子という恵まれた立場で生まれ育ったお釈迦様は、

現実の世界にある

「生まれる苦しみ」「老いる苦しみ」「病む苦しみ」「死ぬ苦しみ」を見抜くと、

29歳のときに出家をします。

出家後のお釈迦様は、数々の厳しい苦行を経験します。

しかし、それでも苦しみから逃れられないことに気づくと、

苦行を離れました。

そして、村娘から乳粥を供養されて体を癒すと、

菩提樹の下で瞑想をして悟りを開いたのです。

悟りを開いたお釈迦様は、

“悟りを開いた者”を意味する「仏陀(ぶっだ)」と呼ばれます。

成道会は大切な記念日として位置づけられており、

仏教の宗派によっては、僧侶たちが12月8日前後に特別な修行を行うこともあります。

 

【2月15日】

涅槃会(ねはんえ)

 

仏教行事の「涅槃会(ねはんえ)」は、

お釈迦様の命日である2月15日に行われます。

お釈迦様は、沙羅双樹の木のもとで、

頭を北に向けて右脇を下にしてお亡くなりになりました。

80歳のときのことでした。

「涅槃」という言葉の語源は、

サンスクリットの「ニルヴァーナ」という言葉です。

ニルヴァーナは、

あらゆる煩悩から解放された究極の安らぎの境地ともいわれ、

仏教ではお釈迦様がお亡くなりになったことを「涅槃に入った」と表現します。

仏式の葬式で故人を北枕にして横たえるのは、

お釈迦様が涅槃に入ったときの様子が由来といわれています。

涅槃会では、全国各地の寺院でお釈迦様への感謝の祈りが捧げられます。

また、「涅槃図」などが特別公開されることもあるようです。

 

***

 

1年を通して行われている仏教行事。

特に「お盆」や「お彼岸」は民間でもよく行われているため、

一度はその名前を耳にしたことのある方も多いかもしれません。

仏教行事では、特別な法要が行われたり、

期間限定で仏像や仏画が公開されたりするため、

仏女のみなさんはぜひチェックしてみてください!

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