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仏教における避けられない苦しみ【四苦八苦】とは?

2020年05月09日

私たちが日常使っていることわざや熟語などで、

仏教から由来する言葉は少なくありません。

仏教から由来する事も知らないままに使っている言葉も多くあります。

今回のテーマ【四苦八苦】。

この言葉が仏教から由来している事は、皆さんご存知でしたか?

 

私たちは避けられない苦しみの中に生きる

現在の【四苦八苦】という四字熟語は「トラブルの対応に四苦八苦した」など、

『苦労した』という意味で広く使われておりますが、

この言葉も仏教から生まれた言葉なのです。

 

釈迦如来が悟りを開いた際に、『一切皆苦』という言葉を残されました。

この言葉には「全てのものは苦しみである」という意味がありますが、

この苦しみという言葉には単に“苦痛”という意味合いではなく、

「自分の思い通りにならない」という意味を“苦”としています。

さて、私たちの人生において、思い通りにならない事とはどのようなことが思い浮かびますか?

 

まず、最初の“四苦”は

【生苦(しょうく)】、【老苦(ろうく)】、【病苦(びょうく)】、【死苦(しく)】の四つです。

 

【生苦】は生きる苦しみを表し、

生きていく上で毎日苦しみの連続だという意味があります。

毎日辛くても仕事をしなければなりませんし、

その仕事などで苦手な人物とも付き合っていかなければなりません。

やりたくない事もやらなければならない事もありますし、

怒りたくても怒れず、笑いたくないのに笑わなければならない事もあります。

“生きる”だけでも“苦”の連続なのです。

 

【老苦】は老いていく苦しみを表します。

老いていく苦しみも万人に共通し、老いを止めることはできません。

若い頃のように身体が思うようにいかなくなり、

お腹の脂肪が増え、髪の毛は減っていきます。

また、女性においては化粧乗りが年齢と共に悪くなっていきます。

このように、日々少しずつ老いていく“苦”とも向き合っていかなければなりません。

 

【病苦】は私たちに訪れる病気の苦しみです。

現在、WHO(世界保健機関)が発表している病気の数は2万種類にも及ぶと言われております。

その苦しみの大きさは病気によって様々とありますが、

遅かれ早かれ私たちに訪れるであろう“苦”です。

 

【死苦】は死ぬことへの恐怖や、死後の不安を表しています。

この四つの苦しみが根本的な四つの苦とされています。

 

さらに四つの苦しみが加わり【四苦八苦】

上記の根本的な“四苦”にさらに四つの苦が加わり、【四苦八苦】となります。

 

まず【愛別離苦(あいべつりく)】は

愛するものとの別れは必ず訪れるという苦しみを表しています。

ちょっとした別れから、最愛の人との深い悲しみの別れまで、

出会いの数だけ別れは訪れます。

 

次の【怨憎会苦(おんぞうえく)】は

嫌いな人とも会わなければならないという意味を表しています。

生きていく上で、万人と相性が良いことなど考えられません。

私たちは仕事でも日常でも、

「馬が合わないな」「相性が良くないな」と感じる人たちとも付き合っていくのです。

 

【求不得苦(ぐふとっく)】は求めるものが得られない苦しみです。

私たちは日々、様々な欲求がありますが、その全てが思うようになる訳ではありません。

逆に、思うようにいかないことの方が多いのではないでしょうか?

これも日常にある苦しみの一つなのです。

 

【五陰盛苦(ごうんじょうく)】は

全ての苦しみは肉体があるゆえにやってくるという意味を表しています。

五陰とは五蘊(ごうん)とも表現されますが、

人間の肉体と精神を『色・受・想・行・識』の

五つの集まりだとする考え方に基づき示されたものです。

この五つの要素に執着すると苦しみが生まれると解釈されています。

 

このように、【四苦八苦】という言葉にはそれぞれ意味のある苦しみが表現されていたのです。

少し、私たちが使う意味合いとは違うように感じましたが、

大なり小なり生きていく上で、

様々な苦しみを乗り越えていかなければならない事を教えてくれていました。

 

108回鳴らす除夜の鐘も四苦八苦に関係?

除夜の鐘は108回打ち鳴らすことは皆さんご存知かと思いますが、

これはよく『人間の108個の煩悩を打ち消してくれる』と言われる事が一般的ですが、

実は他にも様々な理由が伝えられているのです。

 

その中の一つが、今回のテーマでもある【四苦八苦】なのです。

これは語呂合わせとも取れるような説の一つではありますが、

四苦=4×9=36と八苦=8×9=72、この36と72を足すと108になり、

この108個の苦しみを打ち消してくれるとも言われていたのです。

 

そもそも私たちは煩悩により苦しみが生まれるわけですから、

大晦日にその煩悩と共に苦しみを除いてくれるという考え方は自然なのかも知れません。

 

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大晦日の除夜の鐘まで、煩悩を断ち切るのが待てない方には

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迷いや苦しみのある方は、ぜひご自宅やオフィスの机などに不動明王を飾ってみて下さい。

 

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日ごろから何気なく使っている言葉の本来の意味を知ると、

なんだか言葉の『重み』を感じます。

現代の私たちにも様々な苦難がやってきますが、

これは生きていく上で必ず訪れる苦しみで、

私たちはそれを一つ一つ乗り越えて生きていく宿命なのかも知れません。

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