RIYAK

仏像の基本
「重要文化財」と「国宝」の意味や違いについて

2019年06月14日

 

全国各地の寺社にある仏像は

「重要文化財」や「国宝」に指定されていることがあります。

重要文化財や国宝になることで、

一体どのような意味があるのでしょうか?

まずは「文化財」の基本について押さえてから、

それぞれの特徴について理解していきましょう。

今回は、仏像についての理解をさらに深めるために、

重要文化財や国宝を含む文化財保護法の基本をご紹介します。

 

「文化財」とは?なぜ重要性があるの?

 

文化財とは、日本の歴史とともに伝えられてきた国民の財産のことです。

たとえば、仏教にまつわる文化財として、お寺に安置されている仏像のほかに、

お堂をはじめとした建造物、仏教の世界を描いた絵画など、

あらゆる財産が保護されています。

これらの文化財は「文化財保護法」という法律のもとで守られています。

昭和24年、法隆寺金堂壁画が消失する痛ましい事故がありました。

これをきっかけに、日本で初めての文化保護の法律として、

「文化財保護法」が制定されたのです。

「文化財保護法」では、文化財が次の種類に分類されています。

 

    • 有形文化財…
    • 建造物・絵画・彫刻・工芸品・書跡・典籍・古文書など。
    • このうちで歴史上、芸術上、学術上の価値が高いものが有形文化財に分類されます。
    • 仏像も有形文化財のひとつです。

 

    • 無形文化財…
    • 演劇・音楽・工業技術など。
    • 形のないもので、かつ歴史上、芸術上、学術上の価値が高いと、
    • 無形文化財に分類されます。

 

    • 民俗文化財…
    • 有形の衣服・器具・家屋など、
    • 無形の衣食住・生業・信仰・年中行事に関する風俗慣習・民俗芸能・民俗技術など。

 

    • 記念物…
    • 貝塚・古墳・都城跡・城跡・旧宅などの遺跡、
    • 庭園・橋梁・峡谷・海浜・山岳などの名勝地、
    • 動物・植物・地質鉱物。

 

    • 文化的景観…
    • 棚田・里山・用水路など。

 

    • 伝統的建造物群…
    • 宿場町・城下町・農漁村など。

 

 

「重要文化財」と「国宝」の違い

 

仏像を含む有形文化財のうちで重要なものは、

「重要文化財」として国による指定・選定・登録が行われます。

さらに、重要文化財のうちでも特に価値が高い文化財については、

「国宝」として指定されることになっています。

現在、日本にはどれくらいの件数の重要文化財や国宝があるのでしょうか?

文化庁が発表した2019年4月1日現在のデータによると、

国から指定された重要文化財が13,232件、国宝が1,116件あることが分かっています。

このうち、仏像を含む「美術工芸品」の「彫刻」に分類される文化財の件数は、

重要文化財が2,711件、国宝が136件となっています。

これまでに鑑賞したことのある仏像たちも、この中にたくさん含まれているはずです。

参考:文化庁 文化財指定等の件数

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/shitei.html

重要文化財と国宝は、新たに発見されたり、

研究が進んだりする可能性があるため、

今後も件数が着実に増えていきます。

もしかしたら、今後新たな仏像が重要文化財や国宝に指定される瞬間に、

立ち会うことになるかもしれません。

 

文化財に指定された仏像の保存と活用

 

重要文化財や国宝に指定された仏像は、

国によって重点的に保護される対象となります。

たとえば、現状変更に制限が課されたり、輸出に制限が課されたり、

修理のために国庫補助が出たりするのはその一例です。

仏像が重要文化財や国宝に指定されると、

国の財産として適切な状態で保存ができるように、

指導や補助が受けられるようになります。

こうして大切な仏像が守られると、

いつまでも国民の財産として鑑賞できるようになるのです。

さらには、国民が鑑賞する機会を充実させるために、

展覧会などに出品されることもあります。

多くの人が足を運ぶ展覧会に出品された仏像は、

人の目に触れる機会が増えることで、

文化財としての価値をより発揮しやすくなるでしょう。

普段、仏像ファンが鑑賞している数々の仏像も、

こうして大切に保存と活用が行われてきたからこそ、

良好な状態で在り続けているのかもしれません。

今後、仏像を鑑賞するときは「重要文化財」や「国宝」の表記にも注目してみましょう。

 

仏像はみんなの大切な財産!

 

全国各地の寺院に安置されている仏像の中には、

重要文化財や国宝に指定されている仏像もあります。

それらは私たち国民の大切な財産であることを、

仏像を鑑賞するときにぜひ思い出してみてください。

現存している歴史ある仏像を美しい状態で鑑賞できたり、

展覧会でじっくりと鑑賞する機会を得られたりするのは、

適切に保護や活用がなされているからです。

日本で古くから続く仏像文化を、

仏像ファンとして今後も大切にしていきたいですね。

なかなか手の届かない存在である文化財の仏像。

そんな“みんなの仏像”を鑑賞するのがお好きなら、

“自分だけの仏像”も楽しんでみてはいかがでしょうか?

仏像ブランドのRIYAKは、ご自宅で楽しめるインテリア仏像をご用意しております。

自分だけの木彫りの仏像として、ぜひRIAYKのラインナップをご覧ください!

 

***

 

有形文化財の中で価値が高い重要文化財、特に価値が高い国宝。

みんなの大切な財産である仏像が、

これから先の未来でもずっと鑑賞できるように、

ぜひ文化財保護法の基本について押さえておきましょう!

  • ツイート